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母の実家がある、東京から車で2時間から3時間くらいのこの地域は、大きな声では言えませんが未だに土葬が普通に行われています。点在する家々の後ろの山はそれぞれの持ち物で、その山に代々死者を埋葬します。お盆の時期は夕飯の後、提灯を持って裏山を上り、家族みんなでお墓参り。小さい頃から馴染みのある風習ですが、都会の友達に話すと驚かれます。

土葬文化が残っていることはやはり驚かれますが、私が個人的に驚いたのは、もっと身近なことでした。この地域は在宅時に、自宅にカギをかけない人が多いということです。そんな物騒なことはうちの母の実家だけかと思ったら村全体がそんな感じで、誰かが急にやってきたら恥ずかしいとか、強盗の心配などまるで思っていない人ばかり多すぎてびっくりです。表玄関のカギはもちろんのこと、縁側や裏口の戸は、カギどころかドア自体を大開放しっぱなし。夏場は泥棒だけじゃなく、蚊も出入りし放題なので泣けます。住宅密集地ではないけれど、村中が知り合い、家族みたいなものという環境だからこそ、カギを掛けないという習慣になっているのでしょう。外出時さえカギをかけない強者もいるというので、地域が変わるとこんなに考え方も変わるのだと驚かされます。

私は大学に進学して、実家を離れて独り暮らしをするようになってからは、特にカギはしっかりしめるようになりました。不在にする時はもちろんですが、女性の1人暮らしなので、強盗や暴漢の侵入なども怖いです。在宅時こそしっかりカギをかける習慣をつけていますし、帰宅して部屋に戻る瞬間も周囲を警戒して、紛れて侵入してくる人が居ないかを確認します。もちろん外出先ではカギを失くしたりしないように大切に扱います。カギは自分の身を守る、大切な暮らしのパートナーだと思っています。